2月26日(木)

<職人>

自転車がパンクした。

「すみません、パンク修理お願いします」

こちらに背を向け、他の自転車を修理していたその店のおやっさんは、目じりを下げてとっても愛想良く「はいはい」と振り向いた。

言うが早いか、あっという間に修理用のスタンドを自転車に取り付け、目にも留まらぬ速さでタイヤからチューブを取り出す。
そのチューブをほんの一瞬水につけただけで、目には見えないごく小さな穴を見つけ出したその目は、まるでサバンナで獲物を追うプーマのようだ。

寡黙な彼は黙々と手を動かす。
さっきまでの愛想の良さとはうって変わり、彼の目は職人のそれとなった。街中の喧騒の中で、その自転車屋だけ無音の世界。
周囲の景色は、あたかも釈迦を取り囲む曼荼羅のごとく彼を包み込む。

彼はDJのスクラッチを思わせるグラインダーの動きでチューブの表面を研磨し、映画「カクテル」のトム・クルーズのようにゴム糊の缶を宙に舞わせた。そして千分の一ミリの狂いもなくゴムパッチを貼っていく。

作業を始めてからここまでわずか1、2分。
神々しいほどの光を放つ彼のゴッドハンドに、私の目は釘付けになった。

私「めっちゃ早いっすねぇ」

おやっさん「・・・・・・・」

あ、申し訳ない、職人の仕事中であった。
職人の技に口を挟むのは無作法の極みである。
返事がないのも無理は無い。
仕事に熱中する彼の耳には、今は何も聞こえないのであろう。
私はとんでもない邪魔をしてしまったようだ。

おやっさんは何も言わず、私が何度見てもわからなかった、
わずか数ミクロンの細さの針を見つけ出し、ラジオペンチでそれを抜き去る。まさに人間顕微鏡。

私「わぁ、そんなんが刺さってましたかぁ」

おやっさん「・・・・・・・」

あ、すみません、ついつい。またお邪魔をしてしまったようだ。


季節外れの蜃気楼を見せられたような、一瞬のパンク修理は無事に終わった。おやっさんは、耳からイヤホンを抜きながらこう言った。

「840円でぇす」




ラヂオかいっ!




背中にもたれかかる北風が重たい帰り道であった。




2月22日(土)えらい暑い

<たまごっち>

「たまごっち」って覚えてる?
バーチャルペットながら、変に感情移入してしまう不思議な携帯ゲームだ。テレビのバラエティ番組の出演中に、スターにしきのが「暇だから」とたまごっちを育てていてブーイングにあったのは有名な話。さすがスターである。

そのたまごっち、今度通信機能が追加されたニューバージョンが発売されるそうだ。友達のたまごっちと結婚させて子供を作ることもできるという。
妙に中途半端なインターバルであるが、ブーム再来なるか。

さて、たまごっちの海外バージョンを知ってる?
もちろん表記は全て英語で、キャラクターもちょっと違う。日本版での隠れキャラ、加トちゃんみたいな「おやじっち」は、海外バージョンでは「サム」。
こんなの。
↓↓↓


外人のお父さん、って感じである。
娘が育てていたそのサムが、本日天寿を全うし、天に召された。
サムは「天使っち」になってしまった。
私もうんこの世話とかしたことがあったので、ちょっと悲しい。

合掌。



2月5日(木)えらい寒い

<乗れるし・・・>

里見先生はいい人なんだけど、
語尾に必ず息を抜くセリフ回しはちょっとしつこい。

「財前
んふ、肺への転移を、疑った方がいいんじゃないのか

 江口ファンの方すみません。



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