| プレミア価格 | |
先日、お客様からご質問をいただきました。 「ルイ・ヴィトンの新作など、お店によって販売価格がまちまちなのはどうしてですか?」 例えばルイ・ヴィトンの人気商品「M51172ヴァヴァンPM」定価\69,000。 これをルイ・ヴィトンブティックで購入すると、もちろん定価\69,000+消費税=計\72,450。 だけど、とあるインポートショップでは\98,000+消費税で、計\102,900。 なぜこんなに開きがあるのか。今回はそこらへんをちょっと考えてみましょう。 まず、有名ブランドの直営店以外での販売商品、についての知識。 (以下の記述は全てのブランドにあてはまるわけではありません) 例えば、ルイ・ヴィトン。 このブランドは、いわゆる「業者向けの卸販売」を行っていません。ルイ・ヴィトン製品を買うためには、直営店か、もしくはルイ・ヴィトンと正式契約を結んだ正規代理店で購入するしか方法はないわけです。しかもグループ内で厳格な価格統制が行われていますから、一般業者が正規品を市場価格より安く仕入れるルートは存在しません。 では、ルイ・ヴィトンを扱っている一般のインポートショップや家電量販店、スーパーなどではどこからどうやって商品を仕入れているのでしょう。 ショップでよく聞かれるフレーズはこうです。 「現地スタッフにより直接(直営店)買い付けしています」 買い付けというと聞こえはいいし、正規に認められた仕入れルートのように錯覚しますが、実態を言い換えるとこうなります。 「直営店、又は正規代理店で一般客として購入して、そこに利益を乗せて転売しています」 海外での買い付けの担当者は「その会社の現地スタッフ」ばかりではなく、「多数の取引先を持つブランド品バイヤー」であるケースも多くあります。また中には、国内直営店で購入して転売というケースもあるようです。 このような方法で商品を調達するわけですから、購入国によっては日本の正規品定価との格差があまりなく(国内直営店であれば当然格差ゼロ)、人件費や輸送費などのコストを考慮すると、定価で販売した場合、業者側に大幅な利益は残りません。また当然のように人気商品はどこでも品薄です。ブティックでは一人あたりの購入数制限があることも多く、従って人気商品を大量に安く仕入れることなど不可能なのです。 余談ですが、だからルイ・ヴィトンの新品商品の大幅値引きはあり得ない。人気があるから値引きしないと同時に、「値引きできない」のが本音なのです。 正規店以外の、このような手法で商品を調達しているショップでは、当然ながらヴィトングループの価格統制とは全く無縁です。利益幅の設定はショップそれぞれで違いますし、いくらで売ろうがそれは店主の勝手ですから、販売価格がばらばらになるのです。ですから、発売されたばかりで人気があって、しかも直営店で品薄な商品ともなると価格はどんどんつりあがるわけです。それでも売れるからです。 ヴィトンの最近の商品で言うと、M47500スポンティーニ 定価\57,000、M51172ヴァヴァンPM 定価\69,000、M51855ポシェット・フロランティーヌ+ベルト 合計定価\33,000、ヌメ革携帯ストラップ 定価\19,000、などが価格高騰した例。 一時期、度を越した価格がつけられていたグラフィティラインは峠を越して下落中。調子に乗って大量に在庫を抱えて品ダブりしているショップもあるようです。 誤解のないように言っておきますが、私はこのような仕入れ方法をとるインポートショップさんを批判しているわけでは決してありません。ショップそれぞれの経営方針は個々の店主の考え方ですし、私が口を挟めるものではありません。また、こういった調達方法にも関わらず、国内定価か、またはそれ以下で販売しておられる良心的なショップさんも多くあります。国内で手に入りにくい商品や、まだ直営店に並んでいない発表直後の商品を手に入れることができるのも、これら海外買い付けのショップさんあってのことです。 と同時に、定価以上を出してでも手に入れたいという消費者の気持ちもわからないではありません。 ただ、廃番品や限定品といった、もう手に入れることができないという希少価値のある物は別として、はっきりと定価の決まっている現行品なのに、人気商品で品薄であることを理由に異常な高値を付けることには疑問を感じます。限度と、守らなければならない節度があるのではないかと思うのです。 需要と供給のバランスで相場価格が決まる市場原理は理解していますし、ですからそれを全く否定しているわけではありません。コストを鑑みて、定価より多少のアップになるのは致し方ないことかもしれません。しかしすぐに人気が落ち着くであろうと思われるような商品に、定価の2倍以上などという「プレミア」と称する価格をつけ、結果的に人気を煽って一時の儲けに走ることが、どうしても妥当なものとは思えないのです。 そうして市場を煽った結果、こんな悪循環も発生しています。 海外旅行のついでに、小遣い稼ぎの為に人気ブランド品を買い漁る素人バイヤー ↓ そしてそれを定価以上で買い取る中古ショップ ↓ 当然、買い取り価格以上で販売 ↓ 雑誌などにそれが紹介されて煽られた消費者が購入に走る ↓ 異常な高値が「市場相場」になってしまう ↓ 購入した一般消費者がまた高値で売りさばこうとする ↓ そしてそれを定価以上でショップが買い取る・・・ ブランド品は、投資目的で購入するものではありません。 だから海外のショップで日本人が相手にされなくなってしまうのです。 当店では、定価の決まっている現行品や、一時的な人気高騰商品をプレミア価格で販売することはしません。また定価以上で買い取ることもしません。正しいとか正しくないとかではなく、これは私のポリシー。だからぶっちゃけて言うと、そのような人気商品が入ってくることは少ないです。 先日のセール中に販売した、M51172ヴァヴァンPM 新品同様は、定価\69,000に対して販売価格\63,000、しかもセールなので消費税加算なし。他のショップさんからは「馬鹿じゃないのか」と言われているかもしれませんね。 でも。 売るほうも、買うほうも、そろそろ目を覚ましたほうが良いのではないでしょうか。 次回は「レア物」について考えてみます。 |
2001.12.15 店長